夏における各所の気温
犬が快適に過ごせる温度は一般的に22〜26℃、猫においては21℃〜28℃が適正とされています。
夏場における温度の例
- 早朝深夜 ➡ 30〜33℃
- 日中気温 ➡ 35℃以上
- 日中の車内 ➡ 45℃以上(あらかじめ涼しくした車内でもエアコンを切ると15分後には45℃以上に達します)
- 日中のアスファルト温度 ➡ 日中気温のプラス20〜40℃(気温が高くなるほど上がり幅は大きくなります)
動物さんは人間と違い毛皮を着ていて、アスファルトと体の位置が近いことから、体感温度は私たちの感じている温度よりもさらに高温となります。また日中のアスファルトでは肉球を火傷してしまいます。
他には、人工芝が意外にも高温になりやすいため注意が必要です。人工芝の温度対策としてお水をまくだけで十分に冷ますことが可能ですので、遊ばせる際は必ず水を撒いてからにしましょう。
熱中症の症状
- 長い時間ハァハァと激しく呼吸をする(パンティング)
- よだれが増える
- 元気がない、ぐったりしている、ぼーっとしている、暑くて横になる
- 歩き方にふらつきがある
- 水をたくさん飲みたがる
- 食欲が無くなる
- 身体が熱い、体温が40℃を超える
- ふらつき・意識が朦朧とする
- 脱糞、嘔吐や下痢を繰り返す
- チアノーゼ(口内、舌の色が青紫になる)
- 発作が起きる
- 症状が進行すると、平熱または低体温になることがある(体温のみで熱中症か判断するのが危険な理由です)
熱中症の予防
- 日の出ている時間の散歩はできるだけ避けて、早朝と日が暮れた後に連れて行くようにしましょう。ただし日が暮れてすぐでもまだ気温は30℃前後、アスファルトは冷めるのに時間がかかるため、必ず地面の温度と気温をチェックしてからお散歩に行くようにしましょう。
- お散歩時は、事前に水分補給をし、お散歩中もこまめに水分を与えましょう。
- ネッククーラーや濡らしたタオル、バンダナに包んだ保冷剤を首元にかけてあげるのも簡単にできる対策です。
- お散歩ルートも、アスファルトや熱の発生しやすい場所は避けて、木陰ができる場所や緑地を選択するのも有効です。
応急処置・アイシング(冷却)のポイント
- 末梢(指先など)を冷やすと血管が収縮し、放熱効率が落ちてしまうため、体幹部(体全体)を冷やしましょう。
- 保冷材は脳を熱から守るため、頸部(首全体)と頭部の冷却に使用しましょう。
- 使用する水は氷水である必要はありません(急激な冷却は血管収縮を起こし、体温が逃げにくくなってしまいます)。
- 使用する水の温度は、少し冷たい程度:10℃〜16℃にし、全体にかけてあげましょう(氷水と水道水で冷却速度に有意な差はありません)。
- 水で冷やしながら、扇風機などで風を送りましょう。気化熱が発生することにより冷却効果が生じます。(気化熱とは水が蒸発するときに周りの熱を奪う現象です。)
- 濡れタオルはタオル自体が断熱剤の役割をしてしまい、体表から熱を逃がしにくいため、気化熱を利用する方が効率的です。
※お水を飲ませるかどうかは、自力で飲める場合のみ与える、またはお口を潤す程度にとどめましょう。無理やり口に入れると誤嚥が起きてしまい非常に危険です。
熱中症を発症した例(フレンチブルドッグ 7才♂)
フレブルの当時7才の男の子ユズちゃんの症例です。
2025年8月23日19:00の天気は、気温が30.4℃、湿度が61%でした。夕方〜夜にかけても30℃を超える暑さが残り、厳しい残暑となっていました。
熱中症になる前から、夜間救急での診察まで
- 19:30 いつも参加している夜イベントに参加。買い物だけして短時間で帰宅予定だったため、大丈夫だろうと思い参加。
- 19:45 駐車場から会場に到着して、まずはお水を飲ませて買い物をしていたらユズちゃんが暑くて寝転びだす。
- 20:00 駐車場までは歩かせず、安静にし、車で迎えに来てもらう。その間にユズちゃんの足がふらつきだす。
白色のフレブルがユズちゃん。動画内では歩けているが、この時点でパンティングが大きい。
- 20:45 帰宅。冷やされてる部屋でもパンティングが止まらず、寝転んだまま脱糞。クールマントをかけお水をかけ続ける。
- 21:30 パンティングは落ち着いたが、ふらつきは治らず意識は朦朧、嘔吐しはじめる。
- 22:15 冷やしている間に、診てくれる病院をなんとか探し来院。
お水で体を冷やしているがパンティングは全く止まる気配がない。
- 22:50 緊急と判断していただき、すぐにユズちゃんを引き渡す。
8/24(日)
- 1:00 ユズちゃんは酸素室で安静にしており、説明を受ける。熱中症レベル3(重篤な熱中症で、命の危険にさらされている)。診断は多臓器不全。
- 5:30 ユズちゃん待合室へ。先生と一緒にふらつきがないか確認、ハーネスをつけて歩かせるが、少しふらつきあり。外でトイレをするかの確認、大量におしっこするが足が上げきれない。
- 6:00すぎ 病院をあとにする。
- 6:30 帰宅後、自力で飲水はするものの、すぐに嘔吐を繰り返す。
- 7:00 下痢。
- 10:00 当院で引継ぎ。熱中症および重度の組織障害と多臓器不全の症状と診断。
8/29(金) 5日間の入院の後、状態が安定したため退院。
9/2(火) 経過観察、一般状態良好、以前と同様の生活ができるほど回復したため、お薬の投薬を5日間継続し、治療修了。その後1年ほど経過して、ようやく嘔吐症状も落ち着き回復に向かっているとのこと。
オーナー様からのコメント
今回の経験から、みなさんの大切な家族が熱中症になったと判断した場合は、撮れる状況であればムービーを撮った方がいいかもしれません。
私もユズがフラフラしている時は慌てふためいて撮れず、水をかけ冷やしてるところから不安な気持ちを抑え、治療に向けてムービーを撮り始めました。
混乱してしまい、病院に行ってもきちんと説明できず迅速な治療に進めないとさらに悪化させてしまうので、スマホへメモもとりました。
休日や夜間救急は調べておくほうが良いです。私はお友達から聞いていた病院数件に電話しましたが、時間帯などにより数件断られました。電話したのが、夕方診察と夜間診察の中途半端な時間だったのも原因かもしれません。
