外科

当院では去勢・避妊手術はもちろん、腫瘍摘出や日常的な骨折手術まで対応しております。
手術を行う前に「その疾患が手術適応なのか」「生体側のリスクはどうなのか」
「年齢や飼育環境を考えると手術した方が良いのだろうか」「費用はどれくらいかかるのか」など気になることは沢山あると思います。
また同じ疾患名でも、動物によって個体差や病気の進行状況は異なりますので、疑問があれば遠慮無くご相談下さい。
手術の流れは「手術について」をご覧下さい。

外科

外科について

身近な去勢手術・避妊手術に始まり、腫瘍や異物の摘出、機能再建術まで、集中モニター管理下にて幅広く行っています。
可能な限り身体に残らない糸を使用しています。

主な症例について

脂肪腫

脂肪腫とは、脂肪組織の良性腫瘍のことです。
主に中年齢から老齢において発生しやすい皮膚腫瘍であり、メスでの発生率が高い病気です。

脂肪腫

身体(左の腰、右の脇)にできもの(しこり)があるとのことで来院されました。
発見してから数年は大きさが変わらなかったが、最近の1ヵ月で大きくなった気がするとのことで、ワンちゃん自身は全く気にしている様子はなく、触ると「ぷにぷに」「コリコリ」していました。

検査について

ワンちゃんが少しでも痛くないように表面麻酔をかけて、上記箇所について細い針で生検を実施しました。
生検した針内の組織をスライドガラスに吹き付けて、乾燥し、特殊な液で染色しました。
その後、院内の顕微鏡にて、生検した組織を構成する細胞を鏡検しました。

治療方法

飼い主様に検査結果を説明して、今後も大きくなっていく可能性があることから、全身麻酔下で外科切除をすることになりました。
また左腰のしこりは、触診において下の筋肉組織と連続性があるように思われたことから、筋肉を傷つけないようにできる限り切除する方向でお話をしました。
幸いにも、左腰部の脂肪腫も筋肉組織と連続性はなく、右脇部の脂肪腫とともにきれいに取り除くことができました。

猫の尿管結石

猫の尿石症は下部尿路系に発生することが多いとされ、上部尿路系の発生は少ないものとされています。
しかし、当院では紹介症例や転院症例などを含め、遭遇する機会が非常に多いです。
尿管結石や尿石症は猫に限らず、発見が遅れてしまいがち・見過ごされがちな疾患です。

猫の尿管結石

検査について

血液検査にて腎数値上昇を認め、腹部レントゲンにて右の尿管、膀胱、尿道に十数個の結石を確認しました。
腹部エコー検査では、右腎盂拡張、右尿管拡張、膀胱粘膜の肥厚を認め、各所に結石を確認しました。
尿検査では、結晶、細菌ともに確認されませんでした。

治療方法

腎臓摘出も検討しましたが、細菌感染を疑う所見を認めなかったことから、単純に尿管切開し結石を除去しました。
膀胱、尿道内の結石を完全に取り除き、腹腔内洗浄後、閉腹しました。

子宮水腫

子宮に無菌状態の漿液が溜まる病気で、ホルモンバランスの乱れの影響を受け未避妊の犬・猫・うさぎなどで起こります。
多くのケースで、不可逆的な嚢胞性子宮内膜増殖症が起きているとされています。

子宮水腫

今回の症例のように、子宮水腫のペットは一見元気に生活してくれますが、放置しておくと細菌感染を起こし子宮蓄膿症を続発する可能性があります。
確実な予防法は若いうちに避妊手術を受けさせることです。

検査について

レントゲン検査、超音波検査で子宮拡張が見られます。
低エコー性の液体貯蓄があります。
鑑別診断:子宮水腫(漿液が溜まる)/子宮粘液症(粘液)、子宮蓄膿症(膿)、子宮血腫(血液)
溜まっている液体の性質によってエコーレベルの違いが出ることがありますが、画像診断では内容物の確定はできません。
子宮水腫、粘液症では血液検査に異常が出ないことが多く、この症例でも血液検査結果はほぼ正常でした。
血腫では貧血や血液凝固異常、蓄膿症では白血球数、炎症タンパクの上昇が見られることがあります。
子宮摘出後、溜まっていた液体に細菌や膿の成分は見当たらなかったため子宮水腫と最終診断しました。

治療方法

卵巣子宮摘出手術を実施しました。
手術が問題なく実施できれば、予後のとても良い病気です。
今回のケースも一泊入院の後、術後検診で元気な姿を見せてくれました。

耳血腫

ワンちゃんの耳は人と比べると非常に大きくて繊細です。
その耳に何らかの問題(外傷や耳振りによる遠心力、アレルギーなど)により耳の薄い部位(耳介)の軟骨と皮膚の間に血液が溜まってしまいます。
「プックリふくれた耳介」を「耳血腫」と言います。

耳血腫

この耳血腫、ただの内出血と侮ったら大変です。最初は小さくても日に日に大きくなります。
動物たちに「止めて!」と必死に頼んでも、頭を振ることは止めません。そして振る遠心力でさらにひどくなっていきます。

治療方法

最も大切なのはなぜ「耳血腫」が発生したのか確定することです。
「耳血腫」のほとんどは外耳炎などに続発的する疾患だからです。
治療の第一歩は、根本になっている問題の治療から始まります。
そして耳血腫自体への治療法はいくつかあり、治療効果の高い方法は未だに確立されておりません。
ただ全体的には以前のような「外科」中心の治療方法から「内科」中心の治療が主流になってきています。

<外科治療>
腫れている耳介の皮膚を切開し、耳介をペチャンコにします。
そして無くした空間が再度膨らまないように糸を多数かけたり、圧迫します。

<内科治療>
1. 耳血腫内の溜まった血液を抜き→インターキャットを注入し、圧迫包帯をします(犬は嫌がります)
2. 耳血腫内の溜まった血液を抜き、内部を洗浄してステロイド(ケナコルト等)を注入します。その後、圧迫包帯をします。
3. 耳血腫内の溜まった血液は抜かずに、インターキャットを高濃度注入します。

内科治療は何回か行わなければ効果が出にくいといったデメリットはありますが、外科手術よりも動物へのダメージが小さく痛みが少ないのが良いです。

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